講演会「近代茶人と大師会」

 

 

講師:熊倉功夫先生
国立民族学博物館名誉教授
財団法人林原美術館館長
静岡文化芸術大学学長

2月3日(金)に大師会第一回目の講演会が開催されました。当日は、日本海側を中心とした大雪により出席できない方もいらっしゃいましたが、全国から約100名の方々にお集まり頂きました。

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講演会に先だち、根津会長から「今後は茶の湯を通して日本の美を広めるため、従来の会員様中心の茶会だけでなく、広く一般の方も気軽に参加出来る講演会等を催していきます。」とのご挨拶のあと、「近代茶人と大師会」について熊倉功夫先生による講演が行われました。

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先生のお話は明治維新後、武士階級を基盤としていた茶の湯を含む日本伝統文化・芸能は一時衰退したが、茶の湯は新しい担い手として財閥、政府高官等の数寄者(茶の湯をあくまでも趣味とし、名物道具を蒐集した富裕な人びと)に支えられてきた。
数寄者は江戸時代からの在来的な茶の湯でなく、仏教美術等取り入れた新しい日本の美を守る茶の湯を作ってきた。
茶の湯に貢献した安田善次郎、井上馨、益田鈍翁・克徳(兄弟)、根津青山等がどのように茶の湯と関わってきたかエピソードをまじえお話しされました。
また、大師会は益田鈍翁が弘法大師筆『崔子玉座右銘』を明治28年に入手し、その翌年に鈍翁が個人的な茶会を開いたことに始まり、大正11年から財団化され日本の美の見方を広めて来た大変意義のある財団と話されました。

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講演会最後には、質疑応答もあり和やかな講演会を行うことができました。
寒い中、お集まり頂いた皆様ありがとうございました。


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